「わざわざ映画館まで足を運んで,観ている間で身体を動かすことも話をすることもできず,それであんな小さなスクリーンでしか観られなかった過去の映画なんて,なくなってホントよかったね」。
quote:マイケル・ムーア監督の上映中の話題映画「華氏911」が,ファイル共有で発火している。映画の動画はオンラインで流通しており,ムーア監督の意見に反対するムーアウォッチ・コムというウェブサイトは,その動画へのビットトレントのリンクを掲載した。そのため配給会社などから批判を受けたが,当の本人のムーア監督は多くの人が観てくれるならダウンロードしてれていいと述べている。
笑った。ファイル共有で流されたらいやだろうと思ってリンクを掲載したのかもしれないが,監督は大喜びという状況。「わたしは著作権に賛成じゃない。映画を落として共有する人に問題があるとも思えない。友だちと買ったDVDを共有するのと一緒ぢゃないか」と監督は云っているという。もともと,17歳未満は保護者同伴でなきゃいけないR指定になったり,意味不明の迫害を受けていたので,監督にとってはいい手段か。映画の内容に反対も多いが,支持者が目茶苦茶盛り上がった映画館もあったようで(asahi.comの記事)。
ファイル共有という手段そのものに反対しているのは,映画会社だけ。ちょうど同じ日,日本でもまもなく上映されるという「スパイダーマン2」の初回上映を,カムコーダーで録画した16歳の少年が逮捕されるというニュースもあった(Hollywoodreporter.com)。DVDはかなり激しく進んでいるが,なかなかワイヤードとの融合が難しいはずの映画も,ちょっとずつ進んでいるのかもしれない。最終的にはネットワーク経由で,室内の空中に大画面で上映するかヘッドセットで映画館以上の大画面の映像を送信するのが,映画になるだろうが,さて,あまり音楽業界のようなみじめでみっともなくて悲惨な姿をみせてほしくないものだが。
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